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2006年11月 2日 (木)

消極的殺人?

口腔機能向上のために

 本年4月に介護保険および医療保険の改正があり、特に「予防」という観点から食べる機能の維持・向上が評価されるようになりました。

 人間にとって口からおいしく食べることは、栄養維持や誤嚥性肺炎の予防に重要なだけでなく、生きていく楽しみでもあるわけです。

 この「口腔機能の維持・向上」のためには、われわれ歯科関係者だけでなく、介護に係わるあらゆる職種の協力が必要です。

 そのような中、介護施設で働く方やホームヘルパーを対象にした講演会が歯科医師会の主催で開催されました。Dscf0150

 講師は、口腔に関する介護やリハビリテーションでは第一人者である、日本歯科大学助教授の菊谷武助先生です。そのご講演の中で特に印象に残ったのは次のようなことでした。

 悲しき寿命・・・日本人の平均寿命は年々高くなっていますが、それはただ生物学的に生きている状態では意味がないわけです。生活機能やQOLを維持して人として生きている「健康寿命」を伸ばしていくべきです。

 悲しき8020・・・80歳で20本の歯が残っていれば、噛むことに不自由しないということで日本歯科医師会が中心になって進めている8020運動。最近知れなりに効果が見られ、今後10年くらいに80歳に達する70~75歳では実に50%の人が20本以上自分の歯があるそうです。しかし、現状の体制ではこれらの方が将来的に認知症や寝たきりになったとこには、悲惨な口腔内になりそうです。早く口腔内にも介護の手が届く制度にしていただきたいものです。

 消極的殺人・・・年を重ねてくると、時々むせてしまうことがあります。この時激しく咳き込むことで、気管に入った食片を出そうとしているわけです。それなのに家族から「お父さん!うるさい!」などといわれ咳を無理に我慢したりすると、誤嚥性肺炎を起こす可能性がありDscf0152ます。これはれっきとした(消極的)殺人行為といえるのではないでしょうか。

 このほかにも、現行制度の中でどうやって介護施設と歯科医院が連携していくべきか、または「口腔ケアは決して虫歯・歯周病予防のためではない」など、非常に考えさせられるお話でした。

 

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